金融商品の売り込みをやめた理由 その② 金融商品を販売しないコンサル
相談の回答は、シッチャカメッチャカ(^^;)
3年前くらいに港区虎ノ門にある日本FP協会で、無料のFP相談の相談員をやっていたことがありました。
あまりにも、私がくだけた対応をし過ぎて1年くらいでクビになっちゃったんですけどね(^^;) それはさておき。
相談員をする際の、ルールの一つにあったのが、「特定の金融商品の提案をしないこと」
まあ、そりゃそうだって感じですよね。
ただ、問題が、相談者の相談内容の多くは、「資産運用の見直し」とか「生命保険の見直し」が入るわけですよ。
節税したい!くらいじゃ交通費をかけてわざわざ相談なんて来ないでしょうから。
でも、特定の銘柄とか保険会社のことは答えてはいけない。
そうすると、答えとしては、
「現在、株価が上昇傾向にあるので、全体的にバランスの取れたものを中心に…」とか
「ご家族の状況を見た上で、必要な保障をまず決めて、保険料を安く…」みたいな。
そんなもん、当たり前だろって。
でも、そのくらいの情報提供しかできないんですよ(^^;)
ちなみに、「この保険無駄なんで早いとこ解約した方がいいですよ」と答えるのもNGです。
相談した方も受けた方も「つもり」
そして、制限時間の50分が終わって、隣の部屋でアンケートを書いてもらうんですが、「よかった」、「普通」、「悪かった」のうち、ほとんどが「よかった」。
隣の部屋にさっきまで相談に乗ってもらっていたFPがいて、「悪かった」なんて書けます?!
でも、本当の内心は「悪かった」だと思いますよ。
だって、その方の内心は、S&P500はいま買いなのかどうか、とか、提案されているプルデンシャル生命より自分に合った保険があるのか、みたいにもっと具体的な回答が求めるのが普通ですから。
一番ダメなのは、FPに50分間相談したんだから、しっかりとした回答をもらえた「つもり」になることだと思います。
おそらく、ビルを出て虎ノ門駅に着く頃には相談したやり取りのことなんてすっかり忘れているでしょう。
『中立的』な立場に立つほど「偏る」
何が言いたいかというと、金融商品の提案も販売も一切行わないFPは、最善かどうかと言えば、ケースバイケースだということ。
「提案も販売も行わないFP事務所だからこそ、『中立的な立場』でアドバイスをしてもらえる」って聞こえはいいじゃないですか。
でも、本当の「中立の立場」って、わかります?
株式、投資信託、生命保険、損害保険自体、完全に優劣があって最適解があるんですよ。
だったら優秀なFPは、中立的な立場に立てば立つほど、ここの株式を買いなさい!〇〇生命の終身保険が一番いいです!みたいに偏るはずなんですよ。
もしそれができないのであれば、ふんわりしたことしか言えないFP協会の相談員を地で行く、価値を提供できないただの「FP人」だと思いますわ。
ちなみに、私が入っている保険の担当は、「これ入っとけばええねん!それ以外のうちの保険はダメや!」の一言でした。
究極に「偏り」のある提案でしたが、その辺のFPや証券マンより100倍くらい価値の提供をしてくれましたね。