子どもの教育費、いくら貯めれば安心?子育て世帯が知っておきたいお金の準備
結論:子どもの教育費は、早めに準備することが大切です。
ただし、教育費のために何でもかんでも貯金すればよい、という話ではありません。
子育て世帯にとって本当に大切なのは、教育費を準備しながら、住宅ローンや老後資金とのバランスを崩さないことです。
子どもの将来を大切にするあまり、自分たちの老後資金が不足してしまっては本末転倒です。
教育費は必要になる時期がある程度決まっているお金です。だからこそ、計画的に準備することが重要なのです。
この記事でわかること
- 子どもの教育費は実際にどのくらい必要なのか
- 教育費の負担が大きくなるタイミング
- 教育費の準備に貯金・NISA・学資保険のどれを使うべきか
- 教育費と住宅ローン、老後資金を両立させる考え方
- 子育て世帯がライフプランを作成するメリット
子どもの教育費は想像以上にかかる?
子育て世帯からよくいただくご相談の一つが、教育費についてです。
「子どもが大学に進学するまでに、いくら準備すればよいのでしょうか?」
この質問に対する答えは、実は家庭によって大きく異なります。
公立と私立では学費が違いますし、大学進学時には自宅から通うのか、一人暮らしをするのかによっても負担が変わります。
まずは、教育費の目安を確認してみましょう。
公立と私立ではどのくらい違う?
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校までの15年間にかかる学習費の総額は、おおむね次のとおりです。
進学パターン
教育費の目安
すべて公立
約614万円
幼稚園・高校が私立、小中学校が公立
約838万円
すべて私立
約1,969万円
※学校教育費、学校給食費、学校外活動費を含む概算。幼稚園3年間、小学校6年間、中学校3年間、高校3年間の合計です。
さらに、大学進学時には入学金や授業料などが必要になります。
つまり、子ども一人の教育費でも、進路によっては相当な金額になるということです。
もちろん、教育費のすべてを事前に貯金する必要はありません。毎月の収入から支払える部分もあります。
大切なのは、いつ、どのくらいのお金が必要になるのかを把握しておくことです。
教育費の準備は「大学入学時」だけを考えればよいわけではない
教育費というと、大学進学のために数百万円を準備するイメージが強いかもしれません。
しかし、実際には高校受験や大学受験に向けた塾代、習い事、部活動などにもお金がかかります。
特に注意したいのが、中学校から高校、大学へと進学する時期です。
子どもの成長とともに教育費が増える一方で、住宅ローンの返済や親自身の老後資金の準備も続きます。
教育費が増える時期は、老後資金の準備にも重要な時期
例えば、35歳で子どもが生まれた場合、その子が大学に入学する頃には親は53歳です。
53歳といえば、定年退職まで残り10年程度という方も少なくありません。
この時期に教育費の負担が集中すると、老後資金の準備が後回しになってしまう可能性があります。
教育費の問題は、実は老後資金の問題とも深くつながっているのです。
教育費の準備は貯金?NISA?学資保険?
教育費を準備する方法はいくつかあります。
それぞれの特徴を整理してみましょう。
比較項目
預貯金
NISAでの投資信託
学資保険
元本の安全性
高い
元本保証なし
商品・解約時期による
運用による増加
小さい
期待できるが損失もある
契約条件による
資金の引き出し
自由度が高い
売却して現金化
解約条件に注意
教育費との相性
近い将来の支出に適する
長期の準備資金の一部に
保障内容と返戻率次第
学資保険は本当に必要?
以前は、教育費の準備といえば学資保険が定番でした。
しかし、現在は学資保険だけにこだわる必要はありません。
学資保険には、契約者である親が死亡した場合などに、その後の保険料が免除される商品があります。
一方で、貯蓄性や途中解約時の返戻率には注意が必要です。
教育費の準備が目的なら、預貯金やNISAを活用し、親の万一に備える死亡保障は掛け捨ての生命保険で確保する方法もあります。
ただし、どの方法が適しているかは、家計や必要保障額によって異なります。
NISAなら教育費の準備も安心?
NISAは教育費の準備にも活用できる制度です。
ただし、注意点があります。
NISAは非課税制度であって、元本を保証する制度ではありません。
例えば、子どもの大学入学に合わせて投資信託を売却する予定だったとしても、その直前に株式市場が大きく下落する可能性があります。
教育費は、株価が回復するまで何年でも待てるお金ではありません。
そのため、教育費のすべてを株式投資信託で準備するのではなく、必要になる時期が近づいたら預貯金などへ移していくことも重要です。
教育費を優先しすぎて、老後資金が不足する家庭も
FPアートリエールが子育て世帯のライフプランを考える際、特に重視しているのが老後資金です。
子どもの教育費は、必要になる時期と期間がある程度決まっています。
しかし、老後の生活費は違います。
65歳で退職しても、その後の人生が何年続くかは誰にもわかりません。
さらに、物価上昇によって将来の生活費が現在より高くなる可能性もあります。
子どものために教育費を十分準備できたとしても、親自身が老後に生活費で困ってしまうようでは、安心できるライフプランとはいえません。
教育費だけでなく、家計全体を見渡すことが大切
子育て世帯には、教育費以外にも大きな支出があります。
住宅購入費用や住宅ローン
日々の生活費
子どもの教育費
親自身の老後資金
病気や失業などに備える予備資金
これらを別々に考えるのではなく、家計全体で考えることが大切です。
例えば、住宅ローンの返済額を少し抑えるだけでも、教育費や老後資金に回せるお金が増えるかもしれません。
また、教育費が増える時期を事前に把握しておけば、それまでに必要な資金を計画的に準備できます。
子育て世帯こそライフプランニングが必要
教育費について考えるとき、「大学入学までに500万円貯めましょう」といった目標を設定することがあります。
もちろん、目標金額を決めることは大切です。
しかし、本当に必要な金額は、家族構成、収入、住宅ローン、子どもの進路などによって異なります。
大切なのは、一般的な目安だけで判断しないことです。
FPアートリエールでは、教育費だけでなく、住宅購入や資産運用、老後資金まで含めたライフプランニングを重視しています。
教育費をいくら準備するかだけではなく、教育費を支払った後も安心して暮らせる家計を作ること。
これこそが、子育て世帯のお金の相談で本当に大切なことだと考えています。
参考資料・出典
- 文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
- 文部科学省「私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査」
- 金融庁「NISAを知る」
- 日本学生支援機構「学生生活調査」
- FPアートリエールからのメッセージ
- 子どもの教育費は大切です。しかし、教育費だけを考えていては、家族全体の将来を守ることはできません。
- FPアートリエールでは、公認会計士・税理士・CFP®・証券アナリストの専門知識を活かし、教育費、住宅ローン、資産運用、老後資金を総合的に考えたライフプランニングを行っています。
- 「教育費はいくら必要?」「住宅ローンと両立できる?」「老後資金まで準備できる?」
- そんな子育て世帯のお悩みを、数字に基づいて一緒に整理していきます。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・取引を推奨するものではありません。個別の判断は家計状況、目的、リスク許容度などによって異なります。
