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NISAの改定案がしょぼい?積立の限界と本当の資産運用の話

「NISAが改定されて神制度!」…本当にそうでしょうか?

2024年から大幅に制度改定された新NISA。「年間360万円まで非課税投資できる!」「一生で1800万円分の枠!」と大きな話題になりました。しかし、制度の中身をしっかり読んでみた方なら、思ったほどの“自由さ”がないことに気づくはずです。

特に注目しておきたいのは「スイッチング(乗り換え)」についての仕様です。SNSなどでは「評価額ごと乗り換えできる」と誤解している投稿も見られますが、**実際に切り替え可能なのは“積立額の範囲内”**です。

たとえば、100万円を積み立てて120万円に増えたとしても、スイッチできるのは元の「100万円」だけ。増えた分の20万円を別の銘柄に移すことはできません。つまり、制度に「天井」があるということです。


高さのない制度では、複利は活きない

資産形成においてもっとも重要なのが「複利の力」です。年利5%で運用すれば、20年で資産は2.6倍以上になります。しかし、そもそもの「非課税枠」に制限があり、その枠が自動的に増えないのであれば、複利の威力は限定的になってしまいます。

NISAはあくまで「税金がかからない」制度であって、資産が自動的に増える制度ではありません。つまり、「複利」を最大限に活かすには、より大きな金額、より長い時間、そして制度の柔軟性が不可欠なのです。


「子ども支援NISA」はいらない?

最近、「子ども名義でNISAを始めましょう」という投稿をよく見かけます。でも本当にそれが必要でしょうか?

結論から言えば、子ども支援NISAは現時点では不要です。
なぜなら、子どもが18歳を超えたら、自分で新NISAを始められるからです。わざわざ未成年口座で資産を分けて管理するよりも、親の口座で一括運用した方が効率的で柔軟です。

また、名義が子どもになることで、相続・贈与・資金移動の際の制限や煩雑さも増えます。将来的に資金を移すときに、かえって手間がかかる可能性も。


情報はYouTubeではなく、本物の専門家から得るべき

eMAXIS Slim S&P500 や 全世界株式(オルカン)を「これ一択!」と推すYouTubeも多いですが、本当にそれで良いでしょうか?

これらの銘柄は確かに人気で低コストですが、投資信託は4000本以上あります。
人気投信は“誰かにとって都合のよい”仕組みであることも少なくありません。真に価値のある投信を見極めるには、表面の情報ではなく、裏側にあるファンド構造やポートフォリオ設計を理解する必要があります。

私は、証券アナリスト試験を通じてそれを学びました。公認会計士・税理士としての知識では不十分で、本質的な運用の知識は別次元であることを痛感しています。


最後に|制度の「名前」に踊らされないで

NISAはたしかに便利な制度です。でも、万能ではありません。
制度を知ることと、「どう使いこなすか」は別の話です。

YouTubeやSNSに惑わされるのではなく、証券アナリストや資産運用の専門家にしっかりと相談し、自分の人生に合ったプランを立てること。それが、将来の安心への最短ルートです。

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