ちょっと面白い経済学 GDPの3つの意味
GDPの計算
前回のおさらい。
GDPは、こうやって計算されます。
例)
小麦農家:畑に20兆円分の加工を加えて小麦を「20兆円」作る
→製粉所:「20兆円」で仕入れた小麦に30兆円の加工を加えて小麦粉を「50兆円」作る
→パン屋:「50兆円」で仕入れた小麦粉に50兆円の加工を加えてパンを「100兆円」作る
の場合、GDPはいくらでしょうか。
- GDP=「最終生産物」の金額。
だから最終生産物はパンなので、「100兆円」
- GDP=「付加価値」の合計。
20兆円+30兆円+50兆円=「100兆円」
GDPは、3つの意味があります。
経済学的には、この100兆円を3つの視点から見ます。
- 生産面(供給)
- 分配面(所得)
- 支出面(需要)
生産面(供給)は、最終生産物100兆円のパンを作って供給しました。だから、GDPは100兆円。以上。
なのでそんなに難しくはありません。
分配(所得)は、作った100兆円は、100兆円分が誰かの所得になっているという意味です。
ここは、付加価値の合計 「100兆円」=20兆円+30兆円+50兆円 のことを言います。
基本的には、賃金と社長の利益の合計です。
支出面(需要)は、100兆円の供給があったということは、裏を返せば100兆円分欲しがる人がいた(需要)という意味にも取れます。
なので、支出面から見たGDPは、GDP=消費+在庫 となります。
パンで言えば、食べるか(消費)、明日のために買い置き(在庫)するかの2つしかないという意味ですね。
上記の通り、GDP100兆円は、生産面、分配面、支出面の3つの視点がありますが、100兆円には変わりありません。
生産面(供給)=分配面(所得)=支出面(需要)=100兆円
このことを、GDPの三面等価の原則と言います。
ちなみに、経済学者のケインズは、支出面(需要)に着目して、どうすれば需要が伸びてGDPを増やすかを考えました。
だから、ケインズ経済学を勉強すると、政府支出が… とか、民間消費が… みたいな話がたくさん出てきます。
また次回です。