「大阪都構想」は何がダメだったの? 税を知って、政治を知る
会社はどこに税金を払うか。ここが問題の始まり
今日は税理士ならではの話を。
去年の11月でしたか。
大阪都構想の2回目の投票があり、結局、維新の会が推し進めていた大阪都構想は住民により却下されました。別に、大阪を首都にするとかっていう話じゃないですからね。
大阪都構想の目玉は何といっても「税金」の取り扱いが焦点でした。
税理士もしているので、株式会社やら合同会社やら、とにかく「法人」の決算書をたくさん作ります。
ちなみに、法人て、税金を「何か所」に払うと思いますか。
これ、実は「東京23区」 と 「その他」 数が分かれます。
つまり、東京23区だけ例外、あとは、東京都立川市も沖縄県那覇市も全部同じなのです。
ちなみに、個人の住民税は全国同じです。
例えば、先ほど出た東京都立川市であれば、
国:税務署
東京都:都税事務所
立川市:市
の3か所に払うことになります。
なので、決算書など、提出する書類は3か所になります。
言われてみれば、当たり前なのかも。
東京23区だけ、他と違う
では、東京23区はどうなのか。
例えば、東京都港区の会社の場合
国:税務署
東京都:都税事務所
の2か所だけです。
つまり、港区はスルーなのです。
だから、港区にはテレビ朝日の税金は1円も入ってきません。
では、港区の予算はどうなっているのか。
それは、いったん東京都が吸い上げて各23区に振り分けるわけです。
なので、いくら各区の企業が頑張っても、区が潤うことはありません。
だから、23区は独自の予算が少ない分、区長の権限が弱い…
これが、東京23区「特別区」というやつなのです。
いわば、「特別恵まれている」じゃなくて、「特別恵まれていない」と言った方がいいのかな(^^;)
大阪がやりたかったのは、23区みたいな税金の吸い上げ
そして、大阪都構想がやりたかったのも、これ。
大阪市内を、東京23区のようにいくつかの区に分けて、企業の利益をいったん大阪府が吸い上げることによって、大阪市の権限を小さくすることが目的でした。
そして、住民がこれに反対した。
余談ですが、この前、池上彰さんが、「港区がお金持ちなのは、港区に優良企業が集中しているから」と言っていましたが、あれは嘘です(^^;) 1円も入りません。
ちなみに、個人の住民税は、東京都と分ける形ではありますが、住んでいる区にしっかり入ってきますからね。その分は、港区も潤っています。
ちなみに、たばこ税はダイレクトに各自治体に落ちます。
たばこ税は、台東区だけでも年間35億だそうな(^^;)
昔、たばこ屋の紙袋に、「タバコは地元で」と書いてあったのはこれが理由。