ちょっと面白いミクロ経済学 ゲーム理論
今日は、ミクロ経済学の話
大学のミクロ経済学では、
- 市場に参入している売り手と買い手が無限にいる状態=完全競争市場
- 売り手が1つのみの状態=独占市場
- 売り手が少しだけいる状態=寡占市場
の3つを学びます。
今回話すゲーム理論は、「寡占市場」の話です。
ゲーム理論とは、相手の出方次第で、自分の戦略も変える。
当然に相手も、逆のことを考える。
お互いが相手の出方も考慮して、自分の利益が一番高くなる戦略を選ぶ理論です。
相手の出方を見て、自分の行動を選択する
例えば、売り手が、ドコモとKDDI しかいない市場を想定します。
どちらも、取れる戦略は「価格を下げる」と「このまま何もしない」の2つです。
お互いにとって、一番いい戦略は、どちらも値下げをせず「このまま何もしない」なはずです。
ただ、ドコモ:「価格を下げる」 KDDI:「このまま何もしない」となると、ユーザーはドコモに流れてしまい、KDDIは大損です。
逆に、ドコモ:「このまま何もしない」 KDDI:「価格を下げる」も同じことが言えます。
本当は、ドコモもKDDIも「このまま何もしない」を選べばいいのに、相手の抜け駆けを恐れて、両社とも「価格を下げる」を選択し、利益を失ってしまう。
このように、相手の取る戦略によって、自分の利益が一番出る戦略を取る状態を「ナッシュ均衡」と呼びます。
経済学部出身の方は、「囚人のジレンマ」という題材で学んだと思います。
国同士で例えると、本当は防衛費なんてかけない方が国は潤うのに、お互いが隣国の侵略に備えて防衛費をかけざるを得ない状態も同じことが言えます。
余談ですが、先ほどの例だと両社が申し合わせて「このまま何もしない」を選択することも理屈上可能です。これが「カルテル」というやつです。
映画化もされました
ちなみに、「ナッシュ」は数学者の名前で、彼の半生を描いた映画「ビューティフルマインド」は2002年にアカデミー賞作品賞を受賞しました。